カードローンの審査に通る人は何が違うのか、その特徴は?ポイントを交えて解説
- カードローンの審査に通る人の傾向に、安定した収入があり返済能力が高いことや、信用情報に延滞やブラックリストの記録がない、その他、カードローン会社の貸付条件に合っていることなどが挙げられます。そうした内容の逆の場合は審査に通りにくいと言えるでしょう。必ず審査に通るという確約はなく、秘訣といったものもありません。また、それぞれの銀行や消費者金融によって審査の傾向と仕組みが異なります。そうしたカードローンの審査の傾向を踏まえ、すでに他から借りている場合の対処法や家計の見直しによる計画的なカードローンの利用を紹介します。
確実に審査に通るカードローンはあるのか?
- カードローンの利用にあたっては必ず審査を通過する必要があります。審査がない、必ず通るといったカードローンは存在しません。逆にそのような文言をうたうカードローンは疑ってみたほうがよく、一般的にヤミ金と呼ばれるような業者の可能性があります。カードローンの貸付条件には継続して収入がある人などと書かれていますが、ハッキリとした対象を絞っていません。そのため、通りやすさや審査の結果に差が出てくるのです。表向きの貸付条件に合っていたとしても、審査の上で落とされることもあります。アルバイトやパートの属性の人でも利用できるカードローンは多くありますが、あくまでも利用が可能というとで、必ず審査に通るものではありません。このような条件の範囲の曖昧さと会社ごとに違う貸付条件が、審査が通りやすい、きびしいといった評価を生んでいます。
銀行カードローンの審査の仕組みとポイント
- 銀行カードローンの審査のポイントには、まず年収と勤続年数が挙げられます。年収は返済能力を確認する情報となり、勤続年数は安定した収入をみる上で重要視されています。この年収と勤続年数は申し込み内容で確認する情報ですが、同時におこなわれるのが信用情報の確認です。銀行カードローンの審査の特徴として保証会社の仮審査と銀行がおこなう本審査の2段階に分かれています。保証会社は銀行のグループ会社の消費者金融や信販会社がつくことが多く、信用情報の確認は保証会社がおこなっているのです。信用情報機関に登録されている個人の信用情報を確認し、他社で延滞の記録はないか、過去に金融事故、例えば債務整理などをおこなっていないかをチェックします。また、信用情報には個人の氏名や住所・生年月日などの他に職業や年収、他社の借入金額も登録されています。これらを申し込み内容と擦り合わせた上で虚偽の申告がないか調べているのが審査の主な内容です。
- また、総量規制を超えないかも銀行カードローンでは確認しています。本来、銀行カードローンは総量規制の対象外です。消費者金融や信販会社は貸金業法が適用され、銀行カードローンは銀行法で運用されています。銀行法とは公共性の高い銀行の業務に関して信用を維持し、預金者を保護するとともに銀行の適切で健全な運営をもって、国民の経済の発展に寄与することを目的にした法律です。銀行業務は生活や企業の経済活動に深く関わる業務なので、貸金業法とは違う法律で適用されています。そのため貸金業法にあてはまる貸付に対しては総量規制が適用され、銀行カードローンは対象外と なっています。しかし、銀行の多くは総量規制と同じような自主規制を行っているため、借入が年収の3分の1を超えないかの確認が必須になっているのが現状です。
- さらに審査のポイントとしては銀行カードローン会社それぞれが設けている条件に合っているかも重要になります。特に、どの保証会社が仮審査をおこなうかで審査の内容や傾向が異なりますので、こちらも確認しておきましょう。過去に延滞をした記録がある会社が保証会社となっている場合は審査がきびしくなるでしょう。
消費者金融カードローンがおこなう審査のポイント
- 消費者金融のカードローンも大手や中小の規模の違いに関係なく、年収を元にした返済能力の確認が審査のベースです。申し込み内容の確認と同時に、信用情報機関への申し込み内容の登録と照会することの同意を経て、確認がおこなわれます。他社の利用に延滞はないか、過去に金融事故を起こしていないか、登録されている情報を確認していきます。この信用情報機関の照会では重視されているもののひとつが他社の利用金額です。他社の利用残高が100万円を超える場合は収入証明書が必要になります。また、信用情報に登録されている情報と照らし合わせて申し込み内容に相違がないかを確認し、さらに確認が必要な場合は本人への電話連絡や勤務先への在籍確認でチェックしていきます。
- 消費者金融と銀行カードローンの審査の仕組みは保証会社の違いはあるものの、年収を元にした返済能力の確認などは同じです。大きな違いとしては消費者金融のカードローンは貸金業法が適用され、総量規制で貸付の上限が決まっている点です。貸金業法は貸金業者の運営や参入条件、金利の適正化などを定めた法律で、この中に総量規制が含まれています。返済能力を超える貸付にならないように利用残高に応じて途上与信という定期的な審査をおこなうこと、年収や借入残高に応じて適正な貸付となっているかなどが総量規制で決められています。その他、消費者金融ごとに在籍確認の有無や審査の基準があり、これらに当てはまるかも審査通過のポイントです。
総量規制とは、対象外の借入とは?
- 総量規制は消費者金融や信販会社のカードローンの他にも、クレジットカードのキャッシング枠にも適用されています。総量規制とは「借入の総額が年収の3分の1を超えないこと」とするものです。例えば、年収300万円の人が借入できる金額は100万円となります。この総量規制は個人向けの貸付に適用され、無担保・無保証を原則としている消費者金融などのカードローンがあてはまる訳です。総量規制は年収による借入制限だけでなく、途上与信の実施も明記されています。途上与信とは利用中でも定期的に審査をおこなうことで、1カ月の貸付の合計額が5万円を超え、トータルの貸付残高が10万円を超える場合は毎月、審査をおこなうとしています。また、それ以外のケースでも貸付残高が10万円を超える場合は3ヵ月ごとに審査がおこなわれ、他社の借入が増えて総量規制を超える場合は限度額の減額や新規の借入停止となることがあります。
- 逆に保証がつくものは個人の貸付であっても対象外です。クレジットカードのショッピング利用や銀行カードローン、住宅ローンなどが総量規制の対象外となります。総量規制の対象外であれば、年収を超える利用も可能ですが、それは法律上の話です。自主規制や貸付条件などにより総量規制の対象外となっている銀行カードローンでも、返済能力から貸付が決まる点に変わりはありません。また、借りる側も返済状況を考えて利用することが必要です。
審査に通りやすいポイントとは?
- 結論として、審査に通りやすいポイントや秘訣はないと考えておきましょう。どのようなカードローンであっても、返済能力に応じて貸付を決めるのが通常です。ただし、利用残高や借入件数を減らしたり、安定した収入を確保することや利用中の会社に延滞の記録がないことで審査に通る可能性は高くなります。特に消費者金融は借入件数を重視しています。消費者金融では基本的に限度額を50万円としているため、件数でどれだけ借りているのか分かるのです。現在や過去において延滞していたり、過去に債務整理で借金を整理したというような信用情報の傷がないことも審査に通るポイントになるでしょう。その上で貸付条件を確認してみてください。同じ消費者金融のカードローンであっても、電話確認の有無や人によって必要な書類が異なることもあります。条件と必要書類をきちんと揃えることで審査が通る確率は上がるでしょう。
要チェック!こんな人は審査に落ちやすい傾向がある
- 年齢や職業などカードローンが提示している条件に合っていなければ審査に通ることはありません。銀行カードローンは職業や雇用形態で利用者の対象を絞っていることがあります。例えば、アルバイトやパートは不可など、どのような属性の人を対象にしているかは貸付条件の上位に明記されていますので確認するようにしてください。次に審査に落ちやすいのは他社の借入が多い人です。総量規制では他社との借入残高の合計が100万円を超える場合は収入証明書が必要になるとしています。このことから100万円は消費者金融の限度額から計算すれば2社となり、3社以上の借入となると、さらに審査のハードルも上がることも想像できます。また、借入残高が100万円を超えないまでも数社から借りているケースも、良い印象を持たれることはなく、審査に落ちやすい傾向があります。
- その他、過去に延滞や自己破産などでブラックリストに登録された場合も審査に通る可能性は低いでしょう。債務整理で借金を整理した場合は信用情報機関にブラックリストとして登録され、以降5年間は情報が残ります。和解・調停から完済してから5年が目安ですので、7~10年は利用が制限されることがあります。ブラックリストの情報が抹消されれば、借入も可能となりますが、通常の貸付条件に合っているかが利用の条件となります。
お金が必要なときに活用できる3つの選択肢
- お金が必要な時には、新たに借り入れるべきどうかを検討しましょう。新規で借り入れるところを探すにしても、総量規制におさまる範囲で利用するように心掛けてください。新規で借入をおこなうことは件数を増やすことにもなるので、慎重におこなうことをおすすめします。また、利用中のカードローンがあれば、増額という方法もあります。増額は審査の上で決まりますが、新たに借入で審査を受けるよりも、実績次第では通る確率は高いと言えるでしょう。3つ目の選択肢としては、すでに何件も借りている場合ですが、おまとめローンを利用するという方法もあります。こちらも審査の上で貸付が決まりますが、延滞はない、返済能力など貸付条件に合っている場合は利用することができます。
審査に通ることを考えるよりも家計の見直しを実践
- 安定した収入を得ているならば、審査に通るかどうかは気にならないでしょう。審査の行方が気になるのは不安の表れです。他社で借入がある、クレジットカードのショッピング利用が多い、過去にブラックリストに登録され信用情報に不安があるケースなどの場合が考えられます。そうした場合は、カードローンの審査を気にする前に、借入に頼らない道を探ることを検討しましょう。そのためには家計全体を見直し、ムダな出費がないか削れるものはないかをみていきましょう。お金の流れをみることなく、カードローンに頼ると大きな負担となって跳ね返ってきます。返済能力や借入件数、信用情報に問題がなければカードローンの検討も良いでしょう。自身がお金をコントロールできるか、加えて計画的な返済ができるか、その上でのカードローンの利用であれば生活の助けとなってくれます。
監修者プロフィール : 菅田 芳恵(すがた よしえ)

- 社会保険労務士・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー・産業カウンセラー
グッドライフ設計塾 代表 - 証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務後、独立開業。49歳から2年間で社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格など7つの資格を取得。現在は13の資格を活かして、コンサルティングや研修、セミナーの講師、カウンセリング等幅広く行っている。
最近では企業のハラスメントやメンタルヘルスの研修、ワークライフバランスの推進、女性の活躍送信事業等で活躍している。
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